露崎春女(敬称略)について ミュージカル「フランケンシュタイン」(2020)感想④

こんばんは、あさがおです。

新型肺炎の影響で、劇場はおろか、近所への買い物すら行きづらい日々です。

毎日、どこで何人感染者が出たというニュースを見ていると、気が滅入ってきますね。

こんな時は自分を大事に、甘やかして、ストレスを溜めないようにしたいものです。

 

 

 

さてさて、前回から時間は経ってしまいましたが、まだ「フランケンシュタイン」について語りますよ!

本日は、エレン/エヴァ役の露崎春女さん。

個人的には、露崎さんとジュリア/カトリーヌ役の音月桂さんのお二人がフランケンシュタイン2020のMVPではないか、と思うほど、本当に素晴らしかったです。

他のキャストと同様、露崎さんと音月さんを一度に書こうと思っていたのですが(というか、ちまちまとお二方について書いていたのですが)、書き終わるのにものすごく時間がかかってしまいそうなので、とりあえず本日は露崎さん分のみ投稿しようと思います。

 

 

露崎春女さん、「フランケンシュタイン」は今回初出演。

いやいや、ミュージカル自体が初めてなんですって!

とても信じられません!!

正直、キャストが発表になった時、エレン役が初演の濱田めぐみさんじゃなくて、少しがっかりしたんです。

濱めぐさんが特別好きというわけではないけど、やっぱり今の日本のミュージカル界を代表する女優さんですし、そうでなくてもキャストが変わるってファンにとっても少し不安を感じるところですから。

しかも、ミュージカルには出演したことがない方とのことだったので、あの難しい楽曲を歌いこなせるのだろうか・・・と心配してしまったのです。

ところがどっこい、何ともはや。

も〜、ね。露崎さん・・・素晴らしかったですよ・・・

心配なんかして、本当に御免なさいでした。

 

 

初見の時は、歌い方がやや粗いというかロックっぽいというか、特にエレンのソロ曲は息継ぎが激しいのが気になったりしました(エヴァの歌はめちゃくちゃカッコ良かったです。)。

しかしながら、露崎さん、回を重ねるごとに、どんどん、メキメキと良くなっていったんですよ。

 

彼女の一番の魅力はお芝居だと思います。

歌手の方って、ミュージカルに出ても、俳優の方々に比べるとお芝居面に深みがなかったりするのですが、露崎さんはエレンもエヴァもとっても魅力的に作り上げていらしなぁと思う。

彼女のエレンは本当に温かくて、ビクターに対する愛情の深さが滲み出ていました。

でも、ただ優しい姉じゃないんですよ。

「アンリが濡れ衣を着ているから、早く自首しなさい。」とビクターを説得している場面、まさか実験のためにアンリの首が欲しくて黙っているのではと思い至り

  何もかも手に入れる 望むもの全てを

  恐ろしいわ その頭は どうなっているの

と叫ぶのですが、エレンの善良さと、姉だからこそとれる非難の態度というか、遠慮のない非難なんだけど、そこに身内のちかしさも含んでいるような、そういう複雑な色を感じられたのが良かった。

そう、露崎さんのエレンは、いろんな色がぐるぐると混ざり合っている球体のようで、非常にリアルな人間味があった気がします。

歌声も、上演期間前半こそ少し尖ったように聴こえたけれど、おそらく役が深まるに連れ、声にも深みと温かみが感じられるようになりました。

千秋楽の頃には、「もう、私もこんなお姉さん欲しい!私もエレンに抱きしめられたい!!」と思ったほど。

露崎さんのエレン、大好きです。

 

どこが好きか、自由に語りますが・・・

まず、物語の冒頭、アンリにビクターの幼少期を

  少し特別だった 大きな目の弟

と語る、あの長い曲、「孤独な少年の物語」。

あの曲はほぼ回想シーンなので、エレンとビクターの両親が亡くなった場面や民衆から罵られる場面、叔父のシュテファンに引き取られた場面、ジュリアとの出会い、ビクターがジュリアの飼い犬を生き返らせた場面、ビクターが外国に留学する場面などなど、その都度いろいろな人が出て来ては歌ったり芝居したりするのです。

露崎さんも、その時々の過去のエレンとして登場しながら、合間合間に現在のエレンとしても出て来て、アンリに話して聞かせている風な歌を歌うのですが

とにかく長い。

露崎さんにしてみれば、子供時代のエレンと現在のエレンの気持ちを行ったり来たりしているわけだし、現在のエレンとしては単に回想しているだけではなくて、アンリに語って聞かせているスタンスを貫かなければならないわけで、体力的にも精神的にもものすごくハードなのではないかなと想像していました。

特に、リトル・ビクターが生命についての本を読んでいると知ったときの

  知らなかった胸の内を

  あの子 母の死を認めてない

と歌うところは、ビクターの想いを知った、当時のエレンの驚愕とビクターへの憐れみ、そして現在のエレンの語りを同時に表現しているように感じられて、個人的に大好きです。

これを毎回、集中力を切らさずに歌い上げるものだから、最後の

  神よお守りください

を歌い切った時には、私も毎回、「よくやった!!(うんうん)」と涙ぐみながら拍手していました(誰)。

 

そして、何と言っても「その日に私が」ですよ。

「フランケンシュタイン」で最も泣ける歌、いや、「どうしても泣いてしまう」歌ではないでしょうか。

露崎さん、リトル・ビクターに語りかける時は少し高めの声で優しいんです。

「留学をしたら、あなたはひとりぼっちなのよ。姉さんはそばにいられないから。」と諭す声が、幼い弟への愛情と一人で外国にやる申し訳なさと、自分自身の寂しさがないまぜになっていて、思い出しても涙が出ます。

本当に、露崎さんは声が多彩な方だなと思います。

きっとエレンは、ビクターが眠れずに泣いている夜は抱きしめてあげていたのだろうな。

 

私はいつも

  今度あなたに会えたら

  私がぎゅっと抱いてあげるから

のところで、一幕のある場面を思い出していました。

それは、エレンがビクターの研究所(フランケンシュタイン家の城)を訪ねる場面。

あそこで初めて、戦争から帰って来たビクターとちゃんと顔を合わせるのですが、その時のエレンの微笑みが、正に、「帰って来たら抱きしめてあげるから」と言って幼い弟を送り出した姉の微笑みで。

多分抱きしめたかったんだろなぁ、ずっとビクターを不憫に思いながら過ごしていただろうし、戦争から無事に帰って来て嬉しかっただろうし。

でも、ビクターはプイッとどこかへ行ってしまうのです。

親やきょうだいへの態度なんて、みんなそんなものですよね。

優しくされても冷たく返してしまったり、思いやりに欠ける言動を取ってしまったり。

「その日に私が」を聞いていると、この再会の場面を思い出して「ああ、あの時になぜ優しくできなかったんだよ、ビクター。」と、心底哀しくなったんですよね。

 

 

 

 

 

このように、エレンも魅力たっぷりに演じられていた露崎さんですが、エヴァも凄いんです。

エヴァの「欲と血の世界」は毎公演、圧巻でした。

多分、エヴァの曲の方が元々の露崎さんの声質や歌い方に近くて、合っているのだろうなと感じました。

エヴァを見ていて、プリンシパルがそれぞれ二役の意味、良さが分かった気がします。

エレンもエヴァも露崎さんが良いですもの!!

しかも、お芝居の点でも、見事に闘技場の悪どい女主人を演じられていました。

もう本当に、自分のことしか考えていませーん!って感じで。

かなり弾けないと難しいお役ですよねぇ・・・。

今ふと思ったのですが、露崎さん、もしかしたらお芝居はずっとされていた方?

でも公演プログラムのプロフィール欄を見ても、音楽一本のようです。

 

私、もともとの露崎さんのファンとかじゃないんですよ。

だからどっかの回し者というわけじゃないんです。

公演を観て素直に感動して、今回露崎さんが加わってくださって良かったなって(立ち位置)。

 

また何かに出演されるかな?

次の再演には必ず出ていただきたいなぁ。

 

 

 

と、ちょっとエレンについてが長くなってしまってバランス悪いですが、ひとまずこの辺で。

またちょいちょい書き足していきます。

 

 

ではでは🍀