宙組「群盗」(大阪)感想。芹香斗亜と天彩峰里の演技力に脱帽。

こんばんは、あさがおです。

大変ご無沙汰しました。

色々発表があって、その都度書こう書こうと思いつつ、心の整理がつかなかったせいか、なんとなくPCを開く気分になれず・・・。

気付けば、宙組の「群盗」まで始まってしまい!

ということで、今日は先日観劇した「群盗」の感想を。

ネタバレ注意です。

 *この記事を書いているうちに、花組から舞空瞳ちゃんが異動との発表がありました

  が、それはまた後日。

 

 

もう

   小柳先生、ありがとうございます✨  

と言う感じです。

宝塚の脚本家の中で、一番信頼できると言ってもいいくらい、小柳先生はいつも期待以上のものを作ってくれますね。

「観て楽しい」娯楽性はちゃんと保ちつつ、文学性や芸術性も楽しめる。

今回の「群盗」もそんな公演でした。

 

 

先行画像やポスターから、ダークな雰囲気のお話かなと想像していました。

また色っぽいキキちゃんなのかしらと。

 

ですが、オープニングから明るい雰囲気😲

「天は赤い河のほとり」や「Thunderbolt fantasy」のようなワクワクする始まり方🌟

 

わ〜!と思ってたら、ストーリーテラーのこってぃ(鷹翔千空)が出てきて、衝撃的なことを・・・

    家族や愛する人を死に至らしめ、自らも処刑された・・・?

え、みんな死ぬの?( ̄◇ ̄;)

と思っている間に可愛い子役ちゃん達が出てきて、お話は進んでいきます。

豪華なお衣装、貴族のダンスパーティー、とめちゃくちゃ宝塚らしい雰囲気✨

おお、意外とこう言う雰囲気なのですね?

主人公のカールと両親、叔父のヘルマン、従姉妹のアマーリア、異母兄弟のフランツと主要なメンバーが登場して、それぞれのキャラクターや物語中の立場なども、よくある感じなのですぐに頭に入ってきました。

細かいですが、小アマーリアの陽雪アリスちゃんが、モオル伯爵(カールの父)の凛城きらさんが出てきた時に、後ろを向いてスカートの膝の部分を払ってから挨拶したのが何気にツボでした。

 

 

しばらくして、成長したカール(芹香斗亜)とフランツ(瑠風輝)が登場しますが

    え!キキちゃん、可愛いや〜ん

が第一印象。

ダンスニー?アルジャノン?

彼女がこれまで演じてきた可愛い系男子を彷彿とさせ、俄然面白みが増します。

声は若干高め、お衣装も若草色で若々しい。

そして、フランツ役のもえこちゃんは、背が高くてかっこいい!

そこにヒロインのアマーリア役の天彩峰里ちゃんが登場です。

可愛い・・・💕

じゅりちゃん。星組時代から注目していたので、キキちゃんの相手役なんて、嬉しすぎる!!

カールが故郷を出て遠くの大学に行くと聞いて、アマーリアが寂しがる場面なんですが、じゅりちゃん、ポロポロ泣くんです😢

出てきたばかりなのに!本当に、感受性の豊かな子!

キキじゅりがドイツ民謡の「故郷を離るる歌」を歌いますが、どちらもソロパートは伸びやかで上手だし、ハーモニーになれば美しいし、こんな幸せな時間があっても良いのか?と思ったほど。

歌詞もメロディも美しいし、この場面だけでも何度でも観たいですね。家に帰ってからも口ずさんでしまいます。

 

カールはアマーリアの気持ちに気付いているのかいないのか、外の世界を見てみたいんだ〜✨と目を輝かせているのですが、この時のキキちゃんも、とても研13になろうとしているとは思えない若々しさ。

必ず帰ってくるから〜と言って、アマーリアのほっぺをツンとするのは、小柳先生の確信犯的なファンサービスでしょうね!(まんまとときめきましたけどね!)

そのまま、カールは意気揚々と旅立ってしまいます。

旅立つ時の歌や、大学で出会った仲間との歌も、どれも良い曲でした。

 

ちょっと、これ、このまま全部書いてたら何文字になっちゃうんですかね( ̄◇ ̄;)

と言うことで、駆け足で。

 

 

 

 

 

 

その後、大学在学中の行状の悪さからパパに勘当されて、大学の仲間と一緒に悪人から金品を奪って貧しい市民に与える義賊「群盗」になるんですが、初仕事の時にカールがビール樽の上に乗って、「じゃ〜ん」って感じで登場するんです。

その時のドヤ顔の幼いこと!

研12にもなって!ビール樽の上に!特撮ヒーローばりのドヤ顔で!!違和感なく登場する人がいますか???

キキちゃん、ちょっと前はロレンツォとかサントA様とかやってたんですよ?

振り幅が大きい・・・。

 

それにしても、初仕事の前、カールは「誰も傷つけず、傷つかず、お宝を手に入れよう!」と無邪気に言っていましたが、結構誰かが傷つく恐れがあったぞ?

相手は銃撃ってたしww

 

群盗の活動は、最初は好調で市民の人気も得て行くわけですが、あることがきっかけで市民からも追われるようになります。

一幕ラストで群盗の仲間、グリム役の湖々さくらちゃんの見せ場がありますが、さくらちゃん、すごく良かった。

毎回泣きました。

どなたかのブログで、群盗は、自分たちでも自分たちがしていることの意味や危険性について自覚していなかったが、グリムのセリフで初めて気付くのだと書かれていました。

そのとおりだわ。

 

観客側も、グリムのセリフにハッとなるところがありました。

そうだった。貴族だ農民だという身分の違いにとらわれず、誰もが自由で平等な社会を求めて、盗みをしてたんだった。

 

若くて浅はかかもしれないけど、群盗にはそういうポリシーがあったのでした。

ただ、グリムのセリフを聞いていて、「そのために盗みをしている」と言うのは、やはり引っかかる部分ですよね。

盗みをしても、自由も平等も手に入らないのでは?それは単なる体制への小さな反抗に過ぎない。いくら市民が味方についたとしても。

この違和感が、ラストのカールのセリフにつながるのかもしれません。

 

 

 

 

 

ところで、二幕頭のダンス、めちゃくちゃカッコイイですよね〜✨

個人的に、グントーズが下手側に行って、客席側に背中を向けて踊っているときに、両肘を2回後ろに引く振りがあるのですが(分かりにくい)、あそこがツボです💖

 

そして、群盗の二幕、すっごく良いです。

一幕で、「キキちゃんカッコいいし、まあ面白いね。」と軽い感想だけ持って二幕に突入すると、頭打たれます。

ずっと名シーン、みたいな。濃ゆい濃ゆい時間が過ぎていきます。

 

 

 

ただおそらく、リピーターが楽しみにしているシーンは、フランツのソロと、劇中のデュエダンでしょうね❗️(フィナーレのデュエダンも美しいですが)

フランツのソロ曲は後で触れるとして・・・

デュエダン‼️

キキちゃんが娘役さんとがっつりデュエダン‼️

初めてでは?

し・か・も‼️

こちら、かなり濃厚なものとなっております💕

キキちゃんがじゅりちゃんを見る目‼️

慈しむような、愛しくてたまらないという心情が溢れていて、ほんっとうに美しいです。

私、あの、男役さんがデュエダンの時に「眉間にしわ寄せて切なげに娘役さんを見る表情」、苦手な場合もあるんです。「そういう顔をしているだけ」に見えるときや、相手役の娘役さんがあまり受け止められてないとき。温度差があるというのでしょうか。

 

でも今回のデュエダンは、死ぬ・・・色っぽ過ぎて死ぬ・・・。

キキちゃんは、一幕と比べると格段に大人の色気が出てるんですが、群盗になって色々な苦労を経て故郷に帰り、愛する女性と愛を確かめ合うことの喜びを噛み締めている感じ。

対するじゅりちゃんも、喪服(!)で白い肌が際立つし、デコルテ綺麗だし、細いのにちょっと肉感あるのも色っぽいし、当然一幕よりも大人っぽいんですが、瑞々しい色気というか。

やはり、都会の波に揉まれたカールに比べて、田舎のお城で箱入り状態だったアマーリアは、清らかなんですね。

2人の学年差が醸し出す雰囲気なのかもしれませんが、物語の設定にも合っていて

   あああああああ!!!

って身悶えするほど素敵です💖

最後の方で2人が向かい合った時に、キキちゃんの吐息がマイクに入るのが、もう死亡案件です・・・パタリ・・・。

途中でコジンスキーという人(がいるんです)が呼びに来るので、アマーリアは行ってしまうんですが、アマーリアを見送るカールの目の甘いこと。

アマーリアも、恥らうようにカールに視線を送るので、ああああ(死亡)

 

この場面について語り始めたらキリがない・・・。

いや・・・ほんと・・・キキちゃんの表現力に脱帽です。

じゅりちゃんもよく受け止めていました・・・。すごく可愛かった。

 

 

 

 

 

 

そのあとは、どんどん悪い方へ行っちゃうので、このデュエダンが唯一幸せなシーンになります。

端折りますが、冒頭でこってぃが予告したとおり、父も弟も叔父も死にます。

そして、仲間だったリーベ(華妃まいあ)が裏切り、お城の周りを追っ手に包囲されてしまいます。

群盗の仲間は、カールに逃げようと言いますが、カールは動けません。

 

 

このラストシーンで、アマーリアが「私を殺して」と言い出すのは、正直、唐突です。

何度見ても「え!なんで?!」って思います。初見の時は、「え!やめてやめて!みんなで逃げようよ!どうして〜😭」ってパニック状態でした。

でも、観終わってからも

   なんで・・・

と悲しい気持ちは残るものの

   いや、あんなのおかしいやろ。ちゃんと意味分かるようにしてほしいわ。

とは思わなかった。

上演時間が短いので、色々描ききれない部分があるのは織り込み済み、と言うのもありますが、今の感想としては

   あれで十分だった

と思います。

その理由は

   じゅりちゃんが、非常に説得力あるお芝居をしていたから

だと思います。

 

唐突だとは感じるものの

   アマーリアは今、この悲惨な状況の中で、そう思ったんだ

と納得できる。茶化す気になれない真摯さがありました。

本当に、このシーン、モオル伯爵(父)、ヘルマン(叔父)、フランツ(弟)の遺体が転がってて、外は包囲されてるみたいだし、毎回

   悲惨やな・・・

と心の中で思ってしまうほど、絶望的な場面なんですよね。

 

 

おそらく、アマーリアとカールに幸せな未来はないでしょう。幸せだった過去にも戻れない。

確かに、生きていればどうにでもなるかもしれないと、現代の私たちはどうしても思ってしまうので、早まらないで!という気持ちは消せませんが、正しいか間違っているかはともかく、

   アマーリアは、そう決断した

と言うことなんですよね。

私たちが完全に納得の行く理由なんてないのではないかな。

ただ、アマーリアはそうしたいと思って、そう決めたのだと。

じゅりちゃんが涙を流しながらも気丈に群盗たちに語りかける姿は、決意の強さが見えて、もう、本当に切なかった。どうして〜😭って。

このシーン、セリフがとても綺麗なのが、余計に涙を誘います。

 

でも、カールにしても、どうしてやることもできないですよね。

自分は群盗の首領だし、捕まるかもしれないし、と言うか、ウエディングドレス着た(着てるんです)アマーリアを連れて逃げ切れるのか?置いていくのか?置いていったら、今度いつ会えるのか?どちらにしても、アマーリアを守り切ることができるのか?

父親も弟も叔父も死んでしまい、自分も何人も殺している。

アマーリアに何も約束できない。

「そんなこと言うな、生きろ、迎えに来るから」なんて軽々しく言えない。

物語の主人公なら言うだろうけれど・・・(そう考えると、ある意味、とても現実的な話かもしれない。)

だから、カールもアマーリアを止めることはできないんだろうな。

ただ、自分が殺してやるということが、彼がアマーリアのためにできる、彼女を守る最後の手段だったのでしょう。

宗教的なことは詳しく知りませんが、自殺はクリスチャンにとっては大罪というので、彼女自らにやらせる訳にいはいかないと思ったのではないかな。

 

 

 

このクライマックス、キキちゃんのお芝居もすごかった・・・。

父も弟も死んでしまって、抜け殻状態のところにアマーリアのさっきの発言ですから。

「俺がやる。俺の恋人は俺が殺す。」

と言った背中は、悲しみをたたえていました。

最後にアマーリアと見つめ合い、抱き合ってキスをするんですが、本当に悲しそうな目をしていました。

アマーリアが死んでしまってからの長台詞も、迫力ありましたね。

印象的なのは、「歪んだ世界を間違った方法で正そうとしてもダメだったんだ」というセリフ。

グリムの最後のセリフで感じた違和感への答えなのかな。

より良い世界にするために盗みをするというのは、やっぱりどこかで破綻するんでしょうね。

キキちゃん、役について、小柳先生から「盗んだバイクで走り出す感じで」と言われたそうですが、若さの勢いにまかせて破滅へと突っ走ってしまったということでしょうか。

 

それにしても、キキちゃん、こんな重い、深いお芝居するんだ・・・。

バンッとエネルギーを放出するのではなく、静かに、でもすごい熱量で、絞り出すように演じていました。

正直、宝塚でここまで重みのあるお芝居を見られるとは思わなかった。

 

「群盗」を観て、キキちゃんに対する認識を改めました。

 

もともと彼女は歌もダンスもお芝居も好みだし、ルックスもかっこいいし、好きだったのですが、このラストシーンのお芝居は、久々に心の底から感動したというか。

見応えあるお芝居を見られて、言いようのない幸福感と充足感を感じました。

う〜ん。本当にキキちゃんが好きだわと思いましたね。

 

 

 

 

モオル伯爵役の凛城きらさん、ヘルマン役の希峰かなたさん(なんと99期!)、フランツ役の瑠風輝さん(98期)も、それぞれ上手いな〜と思いました。

 

りんきらさんは学年的にも安定の巧さ、カンパニーを支える柱だなと。

水車ぐるぐるの歌(!)とか、正気を失ってからのセリフの言い回し、所作、どこをとっても上手い。

ヘルマンのわんた君、君は99期じゃないだろう。いくら上手くても、新公内学年であのテンポでセリフを言えるのはおかしい(褒めてる)。本当は専科なんでしょ?

フランツのもえこちゃん。めっちゃ良かったよ・・・。なんというか、作りすぎていないところが。良いモノ、悪モノっていう物語の中の役割分担で色分けされたものではなく、「フランツ」という人間を演じてくれて良かった。ソロ曲も美しく、裏声への切り替えも危なげなくて、これからが楽しみ。

グントーズも、学年を聞いて驚いたくらい、みなさんちゃんと自分の役の個性を出していて、堂々と演じて歌って踊っていて、すごい!なつ颯都くんが高身長で顔小さくて可愛くて、目を引きました。まいあちゃんは、すでに下級生枠ではない感じでしたね。

子役ちゃんたちも可愛いし、セリフを言ったり歌ったりが初めてとは思えない。陽雪アリスちゃん、可愛かった。

 

 

そして何度も言いますが、主演コンビはちょっと別格・・・キキちゃんとじゅりちゃんの役への入り込み方が抜きんでていました。

あ〜、上手く表現できる語彙力と文才が欲しい・・・。

 

若手多めのカンパニーで、小柳先生がちゃんと宝塚らしい華やかさやエンタメ性も盛り込んでいるからこそ、主演コンビによってはもう少し軽い、というか表面的?な仕上がりになった可能性もあったと思うのです。

それが、あそこまで掘り下げた深みのある作品になったのは、主演コンビの熱演の賜物

だと、賞賛を送りたいです。

 

 

 

 

本当に良い作品だったなあ。

欲を言えば、群盗が市民の人気を得て行く過程や、カールと父、弟との関係、アマーリアが死のうと思う心の流れetc...描ききれてなかった部分はあると思います。

上演時間2時間ですもの。

でも、「何もかも描き切って提示してくれないと、分からない」という態度は、演劇を観る者として、怠慢なのかもなあという気もしました。

全てを明らかにすることは、どうしてもできないでしょうしね。

ただ、予想したほど、そう言った不満の声が聞こえなかったのは、小柳先生の脚本と、出演者の熱演のおかげですね。

原作も読んだのですが、かなりアレンジされていて、改めて「小柳先生、ありがとう!」と思いました(原作も良いんですけどね。) 

 

 

 

別箱は、とんでも作品が当たることもありますが、キキちゃん、良かったね。

でも、とんでもになる可能性もあったよね。ひよこちゃん達ばかりだし、相手役のじゅりちゃんにしても、ちょっと背伸びするお役だったと思うし。

それが、こんなに好評を博しているのは、カンパニーみんなの努力と、座長であるキキちゃんのリーダーシップの賜物だと思います。

おめでとう〜。

 

今後も本当に楽しみですね😉

 

なんだか字ばかりになりましたが、これでも感動を書ききれていない!

やはり、物を書くというのは難しいものです。全ては書ききれません。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

ではでは🍀